上達理論

上達すると云うことは
1.一人前の知識と技能を持っている
2.足手まといにならず、十分に楽しめる
3.楽しみや生き甲斐を持ち、生活に潤いを感じる
4.「ものの見え方」がグンと一段上がったという実感を持つ
  知識・技能を上回る事項でも、だいたいの判断と予測がつく「センスがそなわる」
  直観が備わってくる
5.暫く遠ざかっても技能を忘れる不安が少ない
6.一定の時間とエネルギーは割き、優先順位は常に高位置に保ち、自信と安定感がある
  努力が報われた経験を持ち、運と出会いが必要であることを知っている
7.挫折や失敗を経験しており、他者の挫折や失敗にも受容的になれる
8.コード化による有意味処理能力が備わる
9.新しく記憶する能力が格段に良くなる
10.宣言型知識と手続型知識の長期記憶を効率よく豊富に維持できる
11.長期記憶に蓄えられた知識を効率よく検索できる
12.検索された知識をワーキングメモリーは余裕をもって処理できる そのためには多くの知識が少ないチャンク数で表現できる
13.知覚・認知・思考が行われる枠組みであるスキーマが優れ、知覚・認知・思考が早くよりよいので、勘がすぐれている
スキーマができると
①短時間で反応できる
②同じ刺激には、反応が同じで安定している
③刺激や刺激に対する自分自身の反応の記憶が正確である
④新しい刺激への反応もスキーマに取り込んで短時間で正確に自分のものにできる
⑤スキーマ依存エラーが起きる
14.スキーマはコーデイング能力に支えられている
言語に表しにくい手続型知識をコード化しワーキングメモリーを通過させる

上達のプロセス
1.入門書を読む
2.ワクワクする瞬間が訪れる
3.刺激が心に訴えてくる
4.何かわからないけど心惹かれるものがある
5.頻度を決める
6.学習の場を決める
7.自分の得意を見つける
8.得意を決めるプロセスが上達を生む

上達の方法論
1.鳥瞰的認知を高める
得意なものにこだわる/ノートをとる/概論書を読む
2.理論的思考を身につける
理論書を読む/細かい差の重要性と意味の理解
3.精密に学ぶ
一つの物を深める/対象を変え精密練習を繰り返す/精密練習で要求水準が高まる/
深い模倣や暗証をする
4.イメージ能力を高める
イメージ能力を大きくするトレーニング/他者を見、感情移入する/良い作品を見る
5.達人の技に学ぶ
達人のスキーマにふれる/達人と直接会う、話す/達人のエラーに学ぶ
6.広域コードと知識を獲得する
他者の個性を記述してみる/広域的知識を獲得する/類似の他のスクールや技能に関心を持つ/歴史的経緯を知る/辞書を持つ

上達を極める特訓法
1.反復練習する      レベルアップ計画・実行・Todoリスト化
2.評論を読む        ブリテンを読む/ブリッジ図書/ブリッジセンター貸出書/ 
JCBL販売図書/Amazonブリッジ図書/飛鳥杯古本
3.感情移入する      他者の試合を観戦する 
4.大量の暗記・暗証を試行する      
2over1ビットシークエンス/コンベンション/オフェンススキル
デイフェンススキル/Lott表/問題ボードのカード化/
全ボードのハンド記憶
5.マラソン的な訓練を試行する         
ブレークの読み/AK位置の読み/ハイカードのイメージ化/
インターネット接続MB/所作を磨く/声を磨く
9.独自な訓練から基本訓練に立ち戻る 師匠に質問
10.何もしない時期を活かす          

上級者の特徴
1.退屈しにくい
2.疲労しにくい
3.自我関与が高く、価値観を持っている
4.「ながら」ができる
5.獲得した知識の転移ができる
6.復元仮定作業ができる
7.技能のコツを言葉で表現できる
8.暗算ができる
9.全体的な概算や急所の把握が正確である
10.異質な次元どおしの換算式を持っている
11.直接役に立たないような知識まで持っている
12.一見無関係なことからヒントを得る
13.細部へののこだわりがある
14.自分なりの美観を持っている
15・イメージが発生する
16.勘が働く
17.鑑賞のツボを外ずさない
18.負けや失敗をいやがり強くくやしがる
19.他者の技能を見るのを楽しむ
20.細かな手がかりから他者評価ができる
21.他者評価が早く、明瞭である
22.他者評価が安定している
23.他者評価をすぐに表に出さない
24.間接的な手がかりによる技能判断が安定している
25.他者の観察態度を見て、その人の技量を推測できる
26.他者の個性に敏感で、模倣もできる
26.癖が少ない
27.欠点を含めて自分の個性を認識している
28.練習方法を工夫できる
29.レベルが下の者からも学ぶことができる
30.上位者に敬意を持っている
31.人格的な安定感がある
32.スランプの時に自立的に考えることができる

スランプ対策  
1.知識の整理
2.技能の安定化
3、技能とコードの連合の密接化
4.チャンク容量の増大
5.コードシステムの高度化
6.「後退しなければ、前進している」
7.スキーマに技能を合わせる
8.技能にスキーマを合わせる
9.精密訓練の反復
10.飛躍へのきっかけと位置付ける          
               「上達の法則」  岡本浩一